行政書士とのダブルライセンスおすすめ資格は?

行政書士資格

行政書士の業務はとても幅広く、さまざまな分野の知識が求められます。

行政書士の中には単独で完結しない仕事も多く、専門家である士業の方に仕事をお願いすることがあります。

行政書士だけでなく関連する他の資格を持っていると、仕事の幅が広がり、自身の収入アップにつながるだけでなく、ワンストップのサービスを提供出来ることになり、結果お客さんにとっても大きなメリットとなります。

そこで、今回は行政書士のダブルライセンスについてご紹介します。

行政書士がダブルライセンスを取得した方がよい理由

行政書士のダブルライセンスを取得した方が良いとする理由は、行政書士だけで完結しない業務が多いからです。

では、行政書士の具体的な業務とはどんなものなのでしょうか?

【行政書士の業務】
①官公署に提出する書類の作成とその代理、相談業務
②権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務
③事実証明に関する書類の作成とその代理、相談業務
④その他の業務

上記の業務のうち、①の業務については、その数10,000種類以上あると言われていますが、行政書士が単独で行える業務がほとんどです。

しかし、②や③につていは、他の専門家と連携して行うことが多い業務といえます。

例えば、②の業務には相続業務の遺産分割協議書作成などがありますが、相続税の申告、土地の名義変更などの登記は行政書士には行えません。

また、意外に思われるかもしれませんが、③に関する業務には会計帳簿を含む財務諸表の作成業務が含まれます。

しかし、税理士さんが行う申告は出来ませんし、個別具体的な税務相談業務も行えません。

同様に、企業の給料計算は出来ますが、社会保険に関する手続きなどは出来ません。

依頼者にとってみれば、最初から全てを一貫して行える専門家の方がいいに違いありません。

行政書士と相性のよい資格とそれぞれの業務について

行政書士は法律系の資格の中では、それほど難易度が高くないため、ダブルライセンスを目指しやすい資格といえます。

【行政書士と相性が良いとされる資格】
行政書士 × 税理士 
行政書士 × 司法書士
行政書士 × 社会保険労務士
行政書士 × 土地家屋調査士
行政書士 × 中小企業診断士 
行政書士 × 宅地建物取引士
行政書士 × ファイナンシャル・プランニング技能士

それぞれの独占業務については以下の通りです。

【資格別独占業務一覧】
資格の種類 独占業務
税理士 納税者に代わって税務申告を行う税務代理、税務書類の作成、書類提出の代行、税務相談等の税務業務
司法書士 不動産権利登記・商業登記・供託についての代理、法務局・裁判所・検察庁に提出する書類作成、簡裁訴訟代理など
社会保険労務士 労働社会保険諸法令に基づく申請代理
土地家屋調査士 不動産表示登記についての調査・測量・申請代理、筆界特定手続代理、民間紛争解決手続代理など
中小企業診断士 法律で定められた独占業務なし
宅地建物取引士 重要事項の説明、重要事項説明書への記名・押印、契約内容記載書への記名・押印
ファイナンシャル・プランニング技能士 法律で定められた独占業務なし

上記の行政書士との相性が良いとされる資格なら、なんでもいいから取得すべきか?というと、決してそうではありません。

今後ご自身が行う業務で必要と思われるのであれば、ダブルライセンスの取得も検討するというので良いかと思います。

尚、税理士については行政書士試験が免除されていますので、ダブルライセンスの必要がない資格です。

ちなみに、私がメインとしている業務は、相続業務、記帳代行、不動産業務、個人事業主・中小企業の経営相談及び補助金等申請業務です。

実際に、自分が業務にあたる中で、取得したいと思う資格は、税理士、司法書士、中小企業診断士です。

その他、不動産業と兼務している行政書士も多いので、宅地建物取引士などもおすすめの資格です。

ちょこ
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実はわたしも、すでに宅地建物取引士の資格を保有していましたが、行政書士業務の中で必要が出てきたため、最近宅建業者登録もしました。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ①~司法書士

行政書士業務のうち、相続による不動産の名義変更や会社設立に関する業務については、登記が必要になります。

登記に関する業務は司法書士の業務にあたるので、登記が発生したら、司法書士に願いすることになります。

登記が必要とされる業務を行う行政書士は、司法書士と連携して仕事を行うことが多いようです。

司法書士の難易度はかなり高く、行政書士の3倍以上の学習時間が必要と言われています。

司法書士試験科目のうち「憲法」、「民法」、「会社法」は行政書士と重複しており、中には模試代わりに行政書士試験を受ける受験生も少なくないようです。

また、行政書士試験を目指す方の中には、司法書士の教材で学習する受験生も珍しくありません。

実務においては、司法書士はダブルライセンスとしてはかなりおすすめの資格ではありますが、超難関資格のため、取得にはかなり年数を要すると考えられます。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ②~土地家屋調査士

不動産登記を独占業務とするのは司法書士とお話しましたが、司法書士が行うことができるのは「権利に関する登記」の業務であり、「表示に関する登記」業務は土地家屋調査士が行うことになります。

土地家屋調査士の業務は、不動産の物理的状況を正確に登記記録に反映させるための調査及び測量を含みますので、農地転用や開発許可申請に際して必要となる測量は、土地家屋調査士にお願いすることになります。

試験科目は民法が行政書士と重複している上に、難易度も大きな差はなく、相性がとてもく、ダブルライセンスの取得に適しています。

実際に、行政書士と土地家屋調査士を兼業している事務所はとても多いです。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ②~社会保険労務士

行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスで仕事される方も多いです。

行政書士と異なり、社会保険労務士は独立せず、企業に勤務して仕事をする人もいますが、事務所を構える場合には、ダブルライセンスで相乗効果が期待できます。

官公署に提出する書類の作成とその代理は行政書士の独占業務とされていますが、介護保険法に基づく申請業務は、社会保険法労務士の独占業務となっています。

医療法人の設立に関する業務をメインにしている方は、介護事業の指定申請の依頼が来ることもあるでしょう。

医療法人に関する業務を専門にする場合は、社会保険労務士とのダブルライセンスで大きな収益が見込めます。

また、医療法人に限らず会社設立業務では、その後に社会保険の手続き等が必要になりますので、どちらの資格も生かすことが出来ます。

ただし、社会保険労務士の試験は、行政書士より難しいと言われていますので、ダブルライセンスとするには少し時間がかかることを念頭に置いておきましょう。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ④~中小企業診断士

資格別独占業務の項でご紹介したように、法律で規定された中小診断士の独占業務というのはありまません。

なのに、敢えてここでおすすめする理由は、行政書士よりニーズが高い業務があるからです。

現在、私は行政書士として中小企業の相談業務にも携わっていますが、事業者向けの補助金の申請書の作成や事業計画書の作成の多くは中小企業診断士へ依頼することが多い印象を受けています。

これらの業務はもちろん行政書士も行えるのですが、一般には中小企業診断士が行うケースが多いのが現状です。

独占業務がない中小企業診断士の業務は、正直あいまいで、企業のコンサルティング業務が一般的とされており、個人的な印象を言えば、コンサルティング業務は税理士と顧問契約をしているのであれば、敢えて中小企業診断士にお願いする必要はないと考えています。

試験の難易度に関しては、行政書士より難しいとされています。

各種補助金に関する業務を取り扱う場合は、中小企業診断士とのダブルライセンスが有利といえます。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ⑤~宅地建物取引士

宅地建物取引士の資格は、その資格のみで独立出来るわけではありませんが、私のように宅建業の看板を掲げるのであれば、必ず設置する必要がある資格です。

行政書士と宅地建物取引士のダブルライセンスも相性がよく、兼業している行政書士も多いです。

相続が発生して、自宅や土地などの不動産を処分する必要が出た場合などは双方の資格を生かすことが出来ます。

宅地建物取引士の試験の難易度ですが、ここでご紹介したほかの資格と比べると難易度はかなり低いといえます。

また、試験科目は民法が重複していますので、行政書士を先に取得されている方は、宅地建物取引士の資格は取得しやすいのではないでしょうか。

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行政書士ダブルライセンスおすすめ~その他

行政書士とのダブルライセンスで、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、中小企業診断士、宅地建物取引士をご紹介しました。

これらの資格以外でも相性の良いとされる資格は冒頭でご紹介した通りですが、これまで私が行政書士業務を行う中では、あまり必要性を感じないため、ご紹介を控えました。

尚、税理士に関してはダブルライセンスの必要性をかなり感じるものの、税理士資格を保有してれば、行政書士試験を免除されていることから、解説を省略しています。

国家試験ではありませんが、記帳代行業務を取り扱なら簿記資格を取得するのもおすすめです。

簿記を取得する場合は、日商2級を目指すのが良いかと思います。

今後、必要性を感じた資格があれば追加でご紹介していきたいと思います。

まとめ

行政書士の業務は幅広く、業務によっては他の資格を取得することで、収入アップの効果が期待できます。

収入だけでなく、ダブルライセンスでワンストップのサービスが可能となり依頼者にとってもメリットは大きいと言えます。

ダブルライセンスでは、資格の種類によってはかなり時間を要するものがありますので、取得を希望する場合は、計画的に行いましょう。

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