50代で行政書士を目指すのはお遅いのでは?と受験を躊躇される方もいらっしゃると思います。
しかし、実は行政書士になるには50歳代が最も適した年齢なのです。
今回は、50代の会社員に行政書士をお勧めする4つの理由についてご紹介します。
50代での再就職は難しい~理由その1
一般的に、企業でリストラの対象となる年齢は、45歳~50歳代と言われています。
50歳代ともなると、給与は高く、若手の2倍以上にもなることも珍しくありません。
また、ほぼ会社のポジションも見えてきます。
「早期退職」は今では珍しくなく、会社が募った「希望退職」に乗って「早期退職」すると退職金が上乗せされる制度をとっている企業も多くなってきました。

退職金を上乗せされるのなら、早期退職してもいいですよね。

必ずしもそうとは限りません。今は年金も65歳以上でないと給付されませんし、働きたくても50歳代の再就職はは難しそうです。
厚生労働省職業安定局の公表の「中途採用に係る現状等について」(令和元年9月27日)のデータをご覧ください。

これを見ると45歳までは企業は中途採用に意欲的ですが、45歳からは消極的となり約半数が採用を検討しておらず、55歳以上に至っては7割近くが中途採用しない意向であることが分かります。
早期退職後もまだまだ働きたいという50歳代の会社員の方は、再就職は前途多難です。
仮に再就職できたとしても、この年齢で一から仕事を覚えなくてはならないのは大変です。
上司が自分より若いため、お互い仕事がしづらいなんてことも珍しくないはずです。
50歳代で会社を退職する人の中には、独立を考える方もいると思われまます。
一口に独立といっても、業務経験や創業資金のことを考えると、すぐに行動に移せるものではないでしょう。
そんな再就職が厳しい50歳代会社員にこそ、お勧めなのが行政書士です。
理由は、行政書士に合格した人のほとんどが、経験なしで独立している、からです。
いきなり開業でも大丈夫なのか?心配される方もいるでしょうが、
試験に合格して、行政書士になろうとする人の多くは、経験なしでいきなり開業しています。
定年がない行政書士は5割が60歳以上~理由その2
行政書士は高齢化が進んでいます。
年齢別登録行政書士の表をご覧ください。
年齢 | 人数 | 割合 |
20~30歳 | 33 | 0.8% |
31~40歳 | 347 | 8.0% |
41~50歳 | 752 | 17.3% |
51~60歳 | 776 | 17.9% |
61~70歳 | 1,543 | 35.6% |
71歳以上 | 864 | 19.9% |
未回答 | 23 | 0.5% |
合 計 | 4,338 | 100.0% |
(日本行政書士会連合会 月刊日本行政10月号「平成30年行政書士実態調査集計結果について」より)
これによると、全体に占める行政書士の年齢は60歳以上が半数以上を占めています。
主な原因として以下のことが考えられます。
①定年がない
②公務員が定年後に行政書士登録をするケースが多い
③中高年でも十分合格が可能である
④試験に年齢制限がない
他の士業同様、行政書士も定年がありません。
さらにいえば会社員とのダブルワークも可能です。
尤もその場合は、会社の就業規則に反する恐れがあるという問題が生じます。
試験は簡単ではないですが、中高年でも合格が可能な資格です。

行政書士の受験には資格要件がないため10代でも受験が可能で、令和年度の最年長合格者は76歳(男性)でした。
簡単ではないですが、他の難易度が高い士業と異なり、1年で一発合格が狙える試験が行政書士なのです。
現在の行政書士は高齢化しており、いずれ行政書士が不足することも懸念されますので、これから行政書士を目指しても遅すぎるということはないと考えます。
むしろ、この年齢が丁度よいといえるかもしれません。
これらのような理由から、50歳代の行政書士が、次世代を担うのが最適と考えます。
行政書士は少ない資金でも出来る~理由その3
50歳代となると、会社でにポジションが大きく変化することはなくなるのではないでしょうか。
反面、子育ては一段落する時期でもあります。
そういったタイミングで独立するのは、若い世代の方が独立するよりもリスクが少ないといえます。
しかも、行政書士は開業に多くの資金を必要としません。自宅で開業する行政書士は最低限の事務機器、電話、FAX、PC、デスク等の費用と登録費用を準備するだけという方も少なくないです。

自宅で開業できれば、かなり費用を抑えられますね。

実は私も自宅開業です。
当初は別に事務所を借りることも検討しましたが、仕事があるかどうか不安だったので、自宅開業にしました。

確かに。軌道に乗ってから別に事務所を用意するものありですね。
開業してすぐに仕事があるとは限りませんが、行政書士の仕事は多肢にわたります。
許認可等に関するものだけでも10,000種類以上あると言われています。
当面の生活費はこれまでの貯蓄から捻出することになるでしょうが、退職金の全てを注ぎ込む必要がなさそうなとろもお勧めする理由のひとつです。
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退職後のセカンドキャリアとして最適~理由その4
前述したように、行政書士の資格で就職する人はあまりいません。
ハローワークでも求人はほとんどといっていいほど見つからないのが現状です。
行政書士として仕事をしようとする場合、自分で事務所を構えるケースがほとんどです。
そして、多くの行政書士が実務経験がないまま開業しているのです。
行政書士として経験を積む場所がない理由は、
①行政書士の仕事はほとんど一人で完結できる
②単発で終わる業務が多いので、人件費のような固定費は負担が重い
からだと考えられます。
経験もないままいきなり仕事が始められるのか?心配の方も多いでしょうが、実は行政書士の仕事は一般の方でも出来る業務が多いといえます。
許認可など、各自治体によって申請方法や要件が異なる業務に関しては、特に新人の行政書士であれば、役所の担当者に聞きながら仕事を進めればよいと思います。
そもそも許認可業務は、役所に対して『許可してください』とお願いする業務なので、内容を一番よく知っているのは、許認可をする役所です。
なので、分からないことは役所の担当者に聞くのが一番です。

わたしの初めての相続のお仕事では、戸籍の取得の方法が分からず、市役所の担当者に何度も電話して教えてもらいました^^;

合格されたら、皆さん開業なんでしょうか?

中には運よく行政書士事務所に就職される方もいますが、同期の合格者は全員開業しています。
行政書士の多くが経験がないまま開業しています。
行政書士の独立で必要とされるのは、業務経験より、むしろ営業力であったり人脈であったるすることが多いです。
こうした理由から、人生経験・社会人経験が豊富な50歳代のセカンドキャリアとして、行政書士を勧めしています。
まとめ
50歳代の会社員は最もリストラの対象となりやすいですが、再就職は厳しいのが現状です。
今後の生活目処が付いてきた50歳代からは自分で出来る行政書士のような独立した仕事がお勧めです。
人生経験が豊富だからこそ50歳代のセカンドキャリアは行政書士が最適です。
高齢化が進んみ世代交代の時期を迎えている行政書士は、50歳代が丁度よい年齢といえそうです。