FP 1級 合格率は高いor低い?2級とはどこが違うのか?

FP

FP3級、2級を受験して合格した人の中には、FPの頂点である1級を目指したいという人も少なくないでしょう。

2級までは教材等含め試験に関する情報も多いですが、1級になるとずっと少なくなります。

そこで、今回はFP1級試験の合格率や内容についてお伝えしたいと思います。

FP1級試験と2級試験ではこんなに違う

FP1級はこれまで皆さんが受験した3級や2級とは、そもそも試験形式が異なります。

具体的に、FP2級及び3級の試験とFP1級の試験には以下のような違いがあります。

FP2級と3級は、学科と実技の同日受験が可能だが、FP1級の試験日は別日に設けられている。
FP2級と3級は、どちらを先に合格するのでも構わないが、FP1級は学科に合格してからでないと実技の受験はできない。
FP2級と3級は、金財と日本FP協会のどちらも試験を実施ているが、FP1級については学科は金財のみで、日本FP協会では実施していない。
FP2級と3級の試験は金財、日本FP協会とも年3回実施されるが、FP1級の実技試験は金財は年3回、日本FP協会は年1回である。
FP1級の実技試験はきんざいでは口述試験だが、日本FP協会は筆記試験である。
受験者
受験者

あらら、FP1級の試験は、2級・3級とかなり違いますね。

ちょこ
ちょこ

ただでさえ、FP試験は複雑な上、1級では3級や2級とは試験方法等変わる部分が多いので、2級・3級と順番に受験してきた方は少しとまどうかもしれません。

上記ご紹介したFP2級・3級とFP1級との違いのほかに、FP1級の学科試験は事実上2級の学科と実技を併せたような出題形式になっていることにも注意が必要です。

1級の学科試験のうち基礎編 ← 2級の学科試験と同様4肢選択
1級の学科試験のうち応用編 ← 2級の実技試験のような計算問題と穴埋め

そして、もちろん内容は2級よりずっと難しくなっているのはいうまでもありませんね。

つまり、FP1級試験は学科だけで、2級の学科と実技を併せ、さらに難易度がかなりアップされた内容となっています。

FP1級学科の合格率ってどのくらい?

試験形式が2級や3級と異なるFP1級試験ですが、合格率についてはどうなのでしょうか?

先ずは、学科試験の合格率をご紹介します。

試験実施日   受検申請者数 受検者数 合格者数 合格率
2022年9月11日 学科 8,027人 5,347人 657人 12.28%
2022年5月22日 学科 9,160人 6,192人 582人 9.39%
2022年1月23日 学科 12,824人 7,958人 531人 6.67%
2021年9月12日 学科 10,422人 7,134人 930人 13.03%
2021年5月23日 学科 10,873人 7,348人 1,474人 20.05%
2021年1月24日 学科 13,549人 8,884人 884人 9.95%
2020年9月13日 学科 12,978人 9,948人 1,494人 15.01%
2020年1月26日 学科 10,557人 7,049人 833人 11.81%

( 一般社団法人金融財政事情研究会公表資料より作成)

実施日によって若干合格率は上下していますが、2級の合格率が金財で25~45%日本FP協会で50~70%と比較するとぐっと下がっているのがお分かりになると思います。

それに伴って、難易度も高くなっています。

FP1級実技の合格率は高いのか?

続いて、実技試験の合確率も見てみましょう。

先ずは、金財(きんざい)の直近過去5回の実技試験の合格率をご覧ください。

試験実施日 実技科目 受検申請者数 受検者数 合格者数 合格率
2022年9月10月 資産相談業務 499人 474人 401人 84.59%
2022年2月 資産相談業務 1,203人 1,119人 961人 85.88%
2021年9月・10月 資産相談業務 1,391人 1,341人 1,142人 85.16%
2021年6月 資産相談業務 1,146人 1,066人 909人 85.27%
2021年2月 資産相談業務 1,616人 1,521人 1,346人 88.49%
2020年9月・10月 資産相談業務 815人 798人 689人 86.34%
2020年2月 資産相談業務 730人 710人 603人 84.92%

( 一般社団法人金融財政事情研究会公表資料より作成)

受験者
受験者

実技の合格率高いですね!

金財の実技は口述試験で、面接官2人態勢で2回行われます。面接は1回目と2回と別の面接官によって行われます。

1回目・2回目とも各100点の200点満点で、合計120点以上が合格となります。

次いで、日本FP協会の合格率をご紹介します。

試験実施日 実技科目 受検申請者数 受検者数 合格者数 合格率
2022年9月 資産設計提案業務 1,213人 1,198人 1,186人 99.0%
2021年9月 資産設計提案業務 1,231人 1,201人 1,126人 93.8%
2020年9月 資産設計提案業務 543人 523人 511人 97.7%
2019年9月 資産設計提案業務 1,038人 1,009人 938人 93.0%
2018年9月 資産設計提案業務 780人 762人 543人 71.3%
2017年9月 資産設計提案業務 763人 751人 662人 88.1%

(NPO法人日本FP協会の公表資料より作成)

ちょこ
ちょこ

FP協会の合格率は、さらに高いです。

FP協会の実技は筆記(記述式)で、2題(20問)出題され、満点100点中60点以上で合格となります。

金財もFP協会も合格基準は満点の60%以上です

合格率が高い実技試験は簡単なのか?

上記の表からも分かるようにFP1級の実技試験は、金財(きんざい)と日本FP協会のどちらの合格率も高いため、簡単なのでは?と感じる方が多いと考えられます。

実技の合格率が高い理由の一つとして、そもそも1級の学科試験に合格している人はそれなりに知識があることが挙げられます。

1級の学科は2級とは比べものにならないくらい難しい試験です。

そうした難しい試験をくぐり抜けてきた人のみが受験しているため、結果として合格率が高くなっているといえます。

FP1級実技は金財とFP協会のどちらで受けるべき?

金財(きんざい)と日本FP協会のどちらで受験した方がよいのか?選ぶのは、正直難しいところです。

ひとつの例として、面接試験が苦手な方の場合などは、FP協会の実技試験を選択するのもあり、と思います。

ちょこ
ちょこ

実際、私はかなりのあがり症なので、FP協会で受験しようかと考えたこともありました。

FP1級の実技試験は、学科試験合格後に有効期限が設けられおり、期限は2年以内です。

金財の実技は年3回ありますから、仮に一度不合格になっても2年間のうち複数回の再受験が可能です。

一方、FP協会の実技は年1回しかありません。つまり、FP協会の受験機会は2回しかないことになり、2回とも不合格になってしまったら、改めて学科から受験し直ししなければなりません。

そういったことから、金財を選ぶ方もいらっしゃいます。

とはいえ、実技の受験料はとても高額です。

金財の受験料は25,000円、FP協会は20,000円です。

どちらで受験することになったとしても、高額であることにかわりありません。出来れば1度で合格したいものです。

FP1級に関しては、テキストや問題集、さらには通信講座なども2級・3級と比べると圧倒的に少ないのが現状です。

難易度が高い割にはインプットのための教材がないため、2級・3級以上に過去問を利用したアウトプット中心の学習が重要になりそうです。

まとめ

FP1級は、3級や2級とは試験形式が異なり、学科試験に合格しないと実技試験を受験できません。

2級と比べて、合格率は下がり、それと共に難易度はかなり上がります。

2級までは教材や通信講座などは色々ありますが、1級ともなるとかなり数が減ります。

受験経験者の私から見ると、学科のうち基礎編は過去問対策だけで高得点を狙うのはハードルが高いです。

そこで、おすすめなのが応用編で高得点を狙う方法です。

応用編は出題形式がパターン化されています。過去問で何回も繰り返し演習することで、独学でも十分合格は狙えます。

実技試験に関しては、金財(きんざい)とFP協会で試験方法が全く違います。

自分に合う方を選択して、確実に合格を勝ち取りましょう。

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