FP 3級 合格率 金財とFP協会の違いや難易度の関係は?

FP

ファイナンシャルプランニング技能士(通称FP)の試験は、1級から3級まであり、まるで民間の検定試験のようですが、れっきとした国家資格のひとつです。

出来れば2級までは取得したいところですが、受験資格が必要で、要件のひとつに3級合格があります。

他の要件を満たさない場合はまず3級から受験することになります。

そこで、今回はFP3級の合格率についてご紹介したいと思います。

2つの団体で行われるFPの試験の合格率は違う

受験経験者はご存じでしょうが、実はファイナンシャル・プランニング技能士の検定試験は、2つの団体で行われています。

そして、それぞれの合格率にはかなりの違いあります。

以下に2つの団体の合格率をご紹介します。

一般社団法人金融財政事情研究会の合格率

一般社団法人金融財政事情研究会(通称:金財(きんざい))は、金融財政政策および金融機関経営に関する情報の収集・発信、調査研究と経済金融知識の普及・啓蒙を目的とした一般社団法人です。

設立は1950年、当時は金融庁主管、財務省および文部科学省共管の社団法人でしたが、公益法人制度改革により2011年に一般社団法人に移行しています。

FP3級の試験は年に3回ほど行われ、通常1月、5月、9月に試験が行われますが、2020年5月に関しては新型コロナウイルス感染が拡大していることから中止となってしまったようです。

受験者
受験者

中止は残念でしたが、FP3級の試験は年に3回あるため、年一の試験と比べるとショックも軽いのではないでしょうか?

ちょこ
ちょこ

そうですね。次の試験まで4か月程度なので、それほどモチベーションも下がらないと思います。

以下、金財経由、直近5回のFP3級合格率です。

試験実施日   受検申請者数 受検者数 合格者数 合格率
2021年9月12日 学科 37,074人 27,607人 14,718人 53.31%
実技 37,880人 28,415人 13,154人 46.29%
2021年5月23日 学科 31,105人 23,248人 11,117人 47.81%
実技 35,106人 26,841人 14,270人 53.16%
2021年1月24日 学科 35,553人 26,140人 16,666人 63.75%
実技 43,586人 33,608人 19,257人 57.29%
2020年9月13日 学科 43,455人 35,659人 24,706人 69.28%
実技 47,564人 39,480人 18,589人 47.08%
2020年1月26日 学科 36,291人 27,744人 18,154人 65.43%
実技 39,931人 31,147人 15,318人 49.17%

( 一般社団法人金融財政事情研究会公表資料より作成)

学科、実技とも多少ばらつきがありますが、金財の合格率は概ね50~60%程度で推移しています。

特定非営利活動法人日本FP協会の合格率

特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(通称:FP協会)は、1987年に任意団体として設立され、2001年に特定非営利活動法人(NPO法人)として、活動を開始しています。

活動内容は、ファイナンシャル・プランニングの啓発と普及を広く一般市民に向けて図るため、担い手となるFPの育成や検定試験の実施、書籍の発行、関係機関の交流等を行っています。

以下、FP協会経由、直近5回のFP3級合格率です。

試験実施日   受検申請者数 受検者数 合格者数 合格率
2021年9月12日 学科 44,725人 36,368人 30,801人 84.69%
実技 45,998人 37,414人 30,119人 80.50%
2021年5月23日 学科 45,331人 36,378人 30,284人 83.25%
実技 45,790人 36,691人 28,122人 76.65%
2021年1月24日 学科 40,195人 31,272人 27,494人 87.92%
実技 40,683人 31,607人 27,348人 86.53%
2020年9月13日 学科 36,891人 31,247人 28,011人 89.64%
実技 37,083人 31,319人 27,574人 88.04%
2020年1月26日 学科 31,806人 25,170人 21,479人 85.34%
実技 30,825人 24,237人 19,257人 79.45%

(NPO法人日本FP協会の公表資料より作成)

日本FP協会の合格率は、金財より高く、平均80%以上です。

金財(きんざい)とFP協会の合格率が違うのはなぜ?

金財経由でもFP協会経由でもFP3級の資格に違いはありません。

しかし、上記の表からもお分かりのように合格率にかなりの開きがあります。

先ず、考えられるのが試験の内容についてです。

実は、FP3級の学科については、金財もFP協会も同じ出題内容、合格基準も同様です。

とすると、学科の合格率の差は、単にFP協会で申込んだ受験生の方が学習レベルが高かったと判断できます。

しかし、実技については金財とFP協会で試験内容が微妙に異なります。

団体名 試験科目及びその範囲
金財
(きんざい)
個人資産相談業務 1.関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
2.個人顧客の問題点の把握
3.問題解決策の検討・分析
保険資産相談業務 1.関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
2.保険顧客の問題点の把握
3.問題解決策の検討・分析
FP協会 資産設計提案業務 1.関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
2.ファイナンシャル・プランニングのプロセス
3.顧客のファイナンス状況の分析と評価

金財の方は、2つの科目から選択する形式を取っていることから、FP協会の方の方がカバーしなければならない科目が多いと考えられます

にも拘わらず、FP協会の方が合格率が高いということは、受験者の属性が違うということもあるでしょうが、それだけではなく、恐らく難易度は金財の方が高いのだろうと予想がつきます。

金財とFP協会 どちらの試験を受けるべき?

前述した通り、どちらで合格してもFP3級の価値に変わりはありません。

合格率に関係なく学科の試験内容は同じなので、自分にとってどちらの実技が解答しやすいのか。で選択すればよいと考えます。

例えば、保険関連の業務についている方やこれから保険関連の業務に就く予定がある方が資格を取得する場合は、「保険資産相談業務」が選択できる金財で申込みすべきでしょう。

保険以外の業務で資格取得を考えている方は、金財の「個人資産相談業務」かFP協会の「資産設計提案業務」から選択することになります。

範囲は似ていますが、問題を見たところ金財は年金や社保等の公的制度に関する問題が頻出であるのに対し、FP協会は個人のライフプランが頻出という点が最も異なる点です。

今後、FP2級とFP1級とを取得する予定しているのであれば、個人的には金財で申込むことをおすすめします。

特にFP1級では、学科試験がFP協会にはなく、実技試験を受験するにはCFP認定者となる必要があります。

このCFP認定者になるには、やはり試験を受ける必要があり、受験科目の6科目は1科目づつの受験が可能です。

1科目づつの受験が可能なので、相対的な難易度は金財の方が高いですが、費用と時間はFP協会の方が負担は大きいです。

また、CFPの資格は永久ではなく、更新制でランニングコストがかかります

こういったことから、難易度が高くても金財をおすすめしていますが、とくかく簡単な方がよいという場合は、科目に関わらずFP協会で試験を受けるとよいでしょう。

まとめ

FP3級の試験は、金財とFP協会の2つの機関のどちらかで受験することが出来ますが、それぞれの合格率は異なります。

FP3級は学科試験と実技試験があり、学科は金財もFP協会も内容は同じですが、合格率はFP協会の方が高いです。

一方、実技は試験内容も合格率も異なります。

どちらの試験を受けるべきかについては、自分の業務内容に適したものを選ぶとよいですが、過去問を見て解答しやすい方を選択したり、難易度が低い方を選択するという選び方でも何ら問題ありません。

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