行政書士試験の当日、試験場に向かう電車の中で同じ試験を受ける方とお話する機会がありました。
その方は、今回の試験が6回目とおしゃっていましたが、わたしの方は初受験でもあり、6回目という言葉に驚いたのを覚えています。
長期間学習を継続していたことの驚きと共に6年間も気持ちが萎えなかったことにも驚きました。
何度も挑戦する方がいる一方、行政書士試験を途中であきらめてしまう受験生も決して少なくありません。
行政書士を途中であきらめる人には、共通した特徴がいくつかあります。
そこで、今回は行政書士を諦めようとしている受験生の特徴や対策についてご紹介します。
実は学習時間が足りていない、合格するための勉強が不足している

行政書士試験に何度か挑戦しているのに受からないと人は、原因としてまず第一に勉強不足が考えられます。
行政書士を目指すには、一般に法律をはじめて学ぶ方の場合で最低でも800時間の学習が必要といわれます。
最低800時間というのはあくまで一般的に言われている時間で、当然ながら人によっては800時間以上の学習が必要になるケースがありますし、逆にもっと少ない時間で合格する方もいます。
しかしながら、一般的に必要とされいる時間さえも勉強していないという人が不合格だった場合は、先ずは学習不足が原因と考えられます。
行政書士試験は、司法書士や司法試験を目指している方もたくさん受験します。
どちらも、行政書士よりずっと難易度が高い試験です。法律系の資格の中ではいくらハードルが低いとはいえ、片手間で受験して、合格出来るほど行政書士試験は甘くはないのです。
学習時間が不十分で不合格だった人は、2年目以降学習時間を増やすことで、合格出来る可能性が高くなります。
忙しい会社員でも、スキマ時間であれば作ることは出来るはずです。一度に長時間を確保出来なくてもスキマ時間を上手に活用して学習しても十分に合格出来る資格が行政書士です。
時間がないと嘆く受験生は、TVを見ていませんか?
お昼休みなど、同僚と無駄なおしゃべりしていませんか?
試験を受けようとするならば、こうした時間は無駄な時間と割り切って勉強に充てるようにしましょう。

僕の知り合いの中には、新聞を読むことさえも試験までシャットアウトした者がいましたよ。

一般知識のためには新聞は読んだ方がいいかもしれませんが、お気持ち分かります。
ご家族のいる受験生は、さらに時間捻出に苦労すると思いますが、この時期だけとご家族に協力を仰ぐのも大切です。
勉強不足で不合格となると、不合格の原因が勉強不足なのか、学習方法が間違っているのか、あいまいなまま、不合格体験と不安だけが残ってしまいます。
どうしても、学習時間を確保することが難しい方は、1年ではなく2~3年かけて受験する計画を立てるとよいのではないでしょうか。
時間だけは費やしているが実は大して勉強していない
受験生の中には1,000時間以上も勉強しているのに受からない、という人も稀に見かけます。
そういった人の中には、長時間机に向かっていはいるが、実は内容がすかすかだったというケースも少なくありません。
テキストや六法などをただ読んでるだけ。なんてことはないでしょうか?
行政書士のテキストはきっちり読もうとすると、それだけでもひと月くらいかかったりします。
きっちりなら良いですが、文字を追っているだけという場合は、無駄に時間を費やしていることになります。
そのほか、条文や判例の解釈について調べようとネット検索しているうちに、何時間も試験と関係ない事柄を検索して、一日が終わってしまった。なんてことはないでしょうか?

私もお休みの日など油断して、半日ネットサーフィンして慌てた経験あります。

却って、時間がない平日の方がスキマ時間で集中して勉強出来たりしまよね。
不思議なもので、時間があるとダラダラ過ごしがちですが、時間がないときほど真剣に勉強したります。
十分勉強しているつもりだけど、なかなか合格できないという方は、無駄に時間を過ごしていないか?もう一度見直してみると良いでしょう。
そもそも勉強方法が間違っている

何年勉強してもなかなか合格しない、という受験生の中には、そもそも学習方法が間違っている可能性のある方がいます。
いくら学習しても方法を間違えていたのでは、何年勉強しても合格にたどり着くのは難しいでしょう。
例えば、基礎が理解できていないのに、模試などに手を出したりしていないでしょうか?
基礎が出来ていないのに模試を解くのは、公式が分からないのに数学の応用問題にトライするようなものです。
あるいは、過去問などの解答を理解ぜず、答えを暗記していしまってはいませんか?
過去問を何度も回していると、問題を見ずとも解答出来てしまうことがよくあります。
そういう場合は、大抵問題を理解しているのではなく、答えを覚えてしまっていることが多いです。
過去問を解くときはちゃんと解説を読み理解することが重要です。解説を読んでも理解できないときは、そのままにせず、六法などで調べて解決する癖をつけましょう!
恐らく、解説や六法も一度読んだだけでは覚えられないと思います。
問題を解く → 解説を読む → 分からない条文や判例は調べる → 理解する → そして、また問題を解く。これの繰り返しです。
分からない箇所を調べてチェックするうちに、「またか!」というシーンが何度も登場すると思います。そうこうするうちに答えではなく、条文や判例が自然と覚えられるようになってきます。
そのほか、過去問を理解しないまま、予想問題に手を出していませんか?
予想問題だけでなく、色々な教材や問題集に手を出し過ぎている場合も、あまり良い学習方法とはいえません。
予想問題などは、出題されるかどうか分からない問題です。
しかも、世に出回っている予想問題や演習問題は過去問を参考に作成されています。
一方、過去問は実際の試験で出題された問題です。つまり、過去問はそれ自体が生きた教材なのです。
試験問題の中には、論点や主旨を変えて出題される問題も多くあります。過去問学習をおろそかにして、出題不確実な教材にあちこち手を出すのはあまり賢い学習方法ではありません。
原点に戻って、今一度過去問を理解して解答しているか見直してみましょう。
受験する前にすでに気持ちで負けている

受験生の中には、試験を受ける前にすでに気持ちで負けてしまっている人がいます。
試験対策は勉強するのが最善なのですが、同じ学習するのでも「合格する!」と思って勉強する受験生と「落ちるかもしれない。。。」と思って勉強する受験生では、どうしても結果に差が出てしまいます。
気持ちで負けている例としては、次のようなものが挙げられます。
マイナス思考 | 落ちたらどうしよう、落ちるかもしれない、落ちるに違いない等 |
自己否定 | どうせ自分は受からない、今さら勉強したとこで受かるわけない |
責任転嫁 | 〇〇のせいで勉強が出来なかった |
現実逃避 | 机には向かうが、実はゲームや漫画、ネットで時間を費やしている |
これらの事項に当てはまるものがあれば、すでに気持ちが負けてしまっている恐れがあります。
ネガティブな気持ちで物事に取り組むと、気が付かないうちその思考に沿った行動をするようになります。
逆に、ポジティブな気持ちで取り組めば、テンションも上がり、思考に沿った行動を取るようになり、結果が付いてきます。
試験前のマイナス思考をプラス思考に転換する3つの方法
では、上記でご紹介したような気持ちになったら、どうしたらよいのでしょう?
気持ちで負けないための3つの方法をご紹介します。
1.自分を安心させる
マイナス思考の方は性格によるところも大きいですが、普段はポジティブな方も試験前にはネガティブになったりするものです。
試験前に不安にかられるのは、みな同じと考えて自分を安心させてあげましょう!
2.自分に暗示をかける
毎日同じテンションで学習するのは、なかなか難しいです。
なので、毎日自分に「絶対受かる」、「大丈夫」、「わたしは出来る」などポジティブな言葉を口に出して自分に言い聞かせてあげましょう。
ある意味、マインドコントロールですね。
3.具体的な数字で日々の学習をノルマ化する
受験生のみなさんは、試験までの学習計画はちゃんと立てていますか? 詳細な学習計画があれば、現実逃避している暇などないはずです。
1日に100問解くなど、具体的な数字を決めておけば、ノルマがあるので、ゲームなどやっていられません。
まとめ
何年も行政書士試験合格しない人には、いくつか共通した特徴があります。
これまで、何度も不合格だった人は、その原因を理解し改善すれば合格への道が開けます。
行政書士を諦めてしまう前に、今回ご紹介した内容を参考にもう一度ご自身の勉強方法について見直ししてみましょう!