行政書士 宅建 どっちを取得した方がよい?

宅地建物取引士

独学合格が可能な国家資格として、人気なのが宅地建物取引士(いわゆる宅建)です。

行政書士もそこそこ人気であるのですが、何しろ宅建は日本の国家資格の中でも受験者が2番目に多い資格です。

どちらも人気資格なので、どちらを取得すべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は行政書士と宅建のどちらを取得すべきなのか、迷われた時の選択のポイントについてご紹介致します。

行政書士と宅建で迷ったら両方とも取得しよう!

行政書士と宅建の取得で迷ったら両方とも取得してしまいましょう!

両方の取得をおすすめする理由は、行政書士の業務では宅建の知識が役に立ち、逆に宅建業では行政書士の知識が役に立つからです。

実際に私を含め、宅建士と兼業している行政書士も多いです。

試験科目も民法が重複していることから、ダブルライセンスには向いている組合せといえます。

行政書士と宅建のどちらを先に取得すべき?

行政書士と宅建の優先度は目的によって異なる

行政書士と宅建士の資格取得の優先度については、資格取得の目的によって異なります。

というのも、宅建士は就職に有利な資格であり、行政書士は独立向きの資格だからです。

就職を念頭に置いて資格取得を考えている場合は、宅建士を優先して取得すべきです。

そうではなく、独立ありきでの資格取得を目指す場合は、行政書士を取得した方がよいでしょう。

行政書士と宅建の合格率と難易度から優先順位を決める

仕事については、資格を取得してから考えるという方や取り敢えず資格を取得したいという方も、宅建を先に取得した方がよいと考えます。

どちらも独学で取得することは可能な資格ではありますが、法律初学者にとっては、学習はそれなりに大変です。

とすれば、難易度が低い宅建の方が合格の可能性が高いといえます

先ず、以下の過去10年の宅建の合格率の推移表をご覧ください。一般財団法人不動産適正取引推進機構公表の資料から作成した「過去10年間における宅地建物取引士試験結果の推移」です。

 

【過去10年間における宅地建物取引士試験結果の推移】         (単位:人)
年度 受験申込者数 受験者数 合格者数 合格率 合格率※
令和3年度(10月)  256,704 209,749 37,579 17.9%  
令和2年度(12月) 55,121 35,261 4,610 13.1% 10.7%
令和2年度(10月) 204,163 168,989 29,728 17.6%  
令和元年度 276,019 220,797 37,481 17.0% 11.5%
平成30年度 265,444 213,999 33,360 15.6% 12.7%
平成29年度 258,511 209,354 32,644 15.6% 15.7%
平成28年度 245,742 198,463 30,589 15.4% 10.0%
平成27年度 243,199 194,926 30,028 15.4% 13.1%
平成26年度 238,343 192,029 33,670 17.7% 8.3%
平成25年度 234,586 186,304 28,470 15.3% 10.1%
平成24年度 236,350 191,169 32,000 16.7% 9.2%
平成23年度 231,596 188,572 30,391 16.1% 8.1%

※合格率は行政書士のものです。

表の過去10年間のが合格率を見ると、宅建の平均合格率は約16%行政書士は約11%と、宅建の方が若干合格率が高い、つまり難易度は低いということが分かります。

しかし、この二つの資格においては、実際の数値以上に難易度に差があるように思います。

というのも、行政書士試験の問題は5肢択一式と多肢選択式、そして記述式で出題されるのに対し、宅建の方は4肢択一式でのみでの出題形式です。

また、宅建には行政書士のような足切り制度はありません

これだけでも、行政書士と宅建との難易度の差は実際の数値以上であることが分かるはずです。

実際に両方の試験を受けた私の所感では、行政書士と比べると宅建の試験の方が素直な問題が多いという印象です。

行政書士試験は暗記だけでは太刀打ち出来ない、思考力が試される問題も多く出題されます。

また、宅建は過去問学習だけでも合格は可能であるのに対し、行政書士の方は過去問学習だけでは、不十分です。

これらのことから、実際の数値以上に難易度には差があるといえるのです。

法律系の資格取得が初めての方は、ハードルの低い宅建士から取得すのが無難と考えられます。

行政書士と宅建 必要な学習時間について

行政書士の学習時間は、初学者の場合で最低でも800時間以上必要といわれています。

一方、宅建士の方は最低でも300時間以上が必要とされています。

この学習時間を見ても行政書士の方が圧倒的に難易度が高いことがお分かりかと思います。

会社員の方や忙しい方は、800時間を確保するのは結構大変です。

学習時間が確保できず、受験自体を断念してしまう恐れがあるなら、より学習時間が少なくてすむ宅建士が合格の可能性が高いため、こちらを優先させるべきでしょう。

行政書士と宅建の合格基準の違い

次に、それぞれの合格基準についてご紹介したいと思います。

【過去10年間における宅地建物取引士試験合格基準の推移】        

年度 合 格 基 準
一般受験者 登録講習修了者
令和3年度(10月)  50問中34点 45問中29点
令和2年度(12月) 50問中36点 45問中31点
令和2年度(10月) 50問中38点 45問中33点
令和元年度 50問中35点 45問中30点
平成30年度 50問中37点 45問中32点
平成29年度 50問中35点 45問中30点
平成28年度 50問中35点 45問中30点
平成27年度 50問中31点 45問中26点
平成26年度 50問中32点 45問中27点
平成25年度 50問中33点 45問中28点
平成24年度 50問中33点 45問中28点
平成23年度 50問中36点 45問中31点

宅地建物取引士の試験では、不動産業界にいる者が一定の講習を受けることによって一部の試験問題が免除となる制度があります。

また、行政書士のような足切り制度は設けられておらず、合格基準は年度によって変わる相対評価が採用されいます。

一方、行政書士試験では満点の60%以上で合格できる絶対評価を採用しています

行政書士と宅地建物取引士の試験科目は?

宅地建物取引士の試験科目 行政書士の試験科目
・宅建業法
・権利関係(民法)
・法令上の制限
・税その他
・基礎法学
・憲法
・行政法
・民法
・商法
・一般知識

行政書士と宅建の試験科目ではどちらも民法からの出題があります。

民法が苦手な方は、取り組みやすい宅建から学習することをおすすめします。

宅建業法については、民法と異なり法律知識がなくても常識で解ける問題も多いためと得点しやすい科目です。

ちょこ
ちょこ

宅建を先に取得した私は、やはり民法が苦手だったため当時は難しく感じましたが、その後、行政書士の学習を始めてみると、宅建はそれ程難しくないことに気が付きました。

かぶる科目の民法でさえ、行政書士では5択と多肢選択、加えて記述式、宅建は4択と出題形式が異なります。

また、行政書士には宅建にはない足切り制度がありますので、行政書士試験を先に受験される場合は、宅建は簡単に感じるかもしれません。

まとめ

行政書士と宅建のどちらの資格を取得すべきか?は、資格取得の目的によって異なります。

就職が目的の場合は宅建を、独立が目的の場合は行政書士を選択べきです。

取り敢えず資格取得を!という方は、両方とも取得してしまいましょう。

その場合も法律初学者であるなら、宅建を先に目指す方がが取り組みやすいといえます。

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