行政書士 実務講座は受けるべき?実務の身に付け方とは

行政書士実務

行政書士合格を独立を予定している方の中には、実務について心配になる方は多いと思います。

書士会開催の研修や先輩行政書士に指導してもらうことも出来るとはいわれていますが、経験がない方にとっては心配であることに変わりはないでしょう。

そこで、今回は合格後の実務の身に付け方や行政書士の実務講座についてご紹介します。

行政書士実務を実務を学ぶ5つ方法

受験者
受験者

試験に合格したのはうれしいですが、実務経験がないのでかなり心配です。

実務を身に付けるのは、どうすればいいのでしょうか?

行政書士の実務を身に付ける方法としては、以下の5つがあります。

【実務を学ぶ5つ方法】
①就職する
②書籍で学ぶ
③行政書士会の講座で学ぶ
④先輩行政書士から学ぶ
⑤講座で学ぶ

上記5つの方法について、それぞれメリット・デメリットをご紹介します。

就職して実務を身に付ける

5つの方法のうち、最も確実に実務を身に付けることができるのが、就職です

行政書士の登録区分には、①個人事業者で登録、②行政書士法人で登録、③使用人行政書士として登録、の3つの種類があります。

行政書士は雇われて業務を行うことも可能で、その場合でも登録は必要です。

仮に登録しない場合は、たとえ行政書士資格を有していても行政書士業務は行えず、単なる従業員と同じ扱いになります。

メリット仕事を教えてもらえる環境が整っている。
学びながら確実に収入が得られる。費用を抑えられる。
デメリット業務を選べない。求人が少ない。独立が遅くなる。登録しないと学べない。

使用人行政書士であれば、自分で事務所を構える必要がないため、費用がかなり抑えられます

また、個人で始めるより営業活動の必要がないため業務に専念でき、分からない業務については先輩行政書士に教えてもらえ、実務経験を積むには、最適な方法といえます。

ただし、行政書士の求人はそもそもあまりないので、誰もが選択できる方法とはいえません

そして、行政書士で食べていこうとする人の多くは、就職ではなく独立を念頭に置いているため、就職すると独立が遅くなってしまいます

書籍から実務を学ぶ

最もお手軽な方法がこの本から学ぶという方法です。

この方法は、書籍さえ購入すれば、行政書士登録前でも登録後でも自分の好きなタイミングで学ぶことが出来るのが良い点です

メリット業務の内容ごとに購入できる。開業前でも学べる。
デメリット本に記載されている知識だでけは不十分。費用が嵩むことがある。

取り扱う予定の業務のみの指南書だけを購入できるのが、この方法のよいところです。

例えば、許認可申請に関する実務本、相続関連業務に関する実務本、入管業務に関する実務本、などいった感じで自身が取り扱う書籍のみをピックアップして購入できます。

デメリットとしては、本だけの内容では実務を行うには知識が不足していることが多いことです。

行政書士が受ける案件は一様ではなく、本で書かれてている内容がそのまま実務に役に立たないケースが往々にしてあります。

全てのパターンを本で解説するのは限界があるため仕方がありません。

また、色々手を出すと実務本も馬鹿にならず、結構な金額になってしまうことがあります。

書籍から学ぶ際は、先ずはご自身が扱いたい業務に絞って、必要に応じて都度購入するとよいでしょう。

行政書士会の研修で学ぶ

行政書士会では、随時研修を行っています。それらを利用して実務を学ぶという方法もあります。

例えば、私が所属して書士会では、新人向けの研修があります。

この新人研修は、登録直後だけでなく登録から3年以内の新人向けとなっていますので、その間で実務に不安であれば、1度だけでなく3回とも参加が可能なありがたい研修です。

メリット無料
デメリット行政書士登録していない場合は参加できない。
行政書士が行うので内容にばらつきがある。

行政書士会が行う研修は、それなりに充実しています。最大のメリットは、ほとんどの研修が無料で受けられることです。

反面、講師はプロではなく、現役の行政書士が務めるので、どうしても内容にばらつきが出ます。

書士会が行う研修なので、登録前は参加できません。

先輩行政書士から学ぶ

オーソドックスですが、既に開業している先輩行政書士に実務を教えてもらうことも可能です。

メリット費用の負担がない。
デメリット登録後でないと学べない。業務を教えてくれる行政書士を探さなければらない。

この方法もほとんどお金をかけず実務を学べますが、やはり登録前では学べないのが難点です。

また、教えてくれそうな先輩を探すのにも苦労しそうです。

頻繁に支部などの催しに顔を出して、良好な関係を築いておくとよいかもしれません。

適当な先輩を見つけられない場合は、支部長にお願いしちゃいましょう。

予備校などの講座で学ぶ

最後に予備校などの実務講座で学ぶ方法をご紹介します。

メリットもっとも効率よく学べる
デメリット講座費用が高額。自分が行う業務の講義ない場合がある。
全部を受講しなければならない。

5つの方法の中では、一番内容が濃く効率よくできる方法といえるのが、講座を利用して学ぶ方法です。

しかし、講座費用が高額であることが一番のネックです。

また、実務講座のほとんがそうであるように、王道業務や人気業務の講座しかないことが多く、自分が予定している業務内容の講座がない場合があります。

そして、講座はセットになっていることがほとんどなので、予定していない業務の講義にも費用を払うことになります。

結局、行政書士の実務講座は受けた方がいいか?

実務講座など必要ないという行政書士は、実は少なくないです。

開業3年目の私の意見は、『受けなくても仕事は出来る』です。

ちょこ
ちょこ

実際、私も実務講座なんて考えていませんでした。でも、たまたま私が所属している支部の支部長が実務講座のDVDをお持ちでしたので、お借りして視聴してみました。

役にたったどうか?なんともいえませんが、ないよりはあった方がいいというのが正直な感想です。

なにしろ、受講してから実際に業務の依頼を受けるまでにはかなりの時間が経過してしまったので、業務にあたった時には受講内容を忘れてしまっていたからです。

テキストやDVDはお返ししてしまったので、見直しできず、結局ネットや役所で教えてもらって業務を終えることができた。という状況でした。

実務講座を選ぶ時の注意点

それでも、やはり合格しただけでは心配。という気持ちは理解できます。

実務講座を受けることで安心するのであれば、もちろん受講される方がよいに決まっています。

そこで、実務講座を選ぶ際の注意点をご紹介したいと思います。

【注意すべきポイント】
取り扱う業務内容の講義があるか確認する
受講から開業までに日数を空けない
通学での受講でも、複数回視聴できるタイプの講座を選ぶ

自分がこれから取り扱おうと考えている業務の講座がないのでは、意味がありません。

仮に将来、取り扱うかもしれないと思ってもいても、時間が経過してしまえば、受講内容を忘れてしまうでしょうし、法律も変わっているかもしれません。

実際に取り扱うことになってから受講すればいいのです。

同じ理由から受講から開業までの期間が長いようであれば、一旦受講を控えた方がよいと考えます。

そして、皆さんも受験で体験済みと思いますが、人間は勉強しても多くを忘れてしまいます。

ですから、知識が定着するよう返し受講できるタイプの講座のほうがよいといえます。

大手予備校の実務講座【おすすめ3選】

実務講座を検討している方に、大手予備校の実務講座を3つほどご紹介します。

おすすめNO.1~伊藤塾

伊藤塾は、OBの交流も盛んで、試験だけでなく、その先の実務家向けの講座が最も充実している資格予備校です。

以下、伊藤塾のカリキュラム内容です。

入門マスター 行政書士と憲法 伊藤真講師
行政書士法 鈴木篤講師
実務体系論(許認可業務編・民事法務編) 伊藤健司講師
実務体系論(国際業務編) 志水晋介講師
実務マスター ビジネススキル編 独立開業準備論 大楽大輔講師
マナーと心づかい講義 岩﨑直美講師
事業経営・マーケティング戦略論 髙谷桂子講師
理論編 法人設立業務論 菖蒲悠太講師
実務民法論 志水晋介講師
許認可業務論1 建設業務以外 伊藤健司講師
許認可業務論2 建設業務 志水晋介講師
国際業務論 吉尾一朗講師
実務編 国際業務論 12 吉尾一朗講師
遺言・相続業務論 12 新井勇輝講師
契約業務論 6 志水晋介講師
許認可業務論1 建設業務以外 9 伊藤健司講師
法人設立業務論 9 岩﨑直美講師
許認可業務論2 建設業務 9 塩田英治講師
補助金業務論 9 菖蒲悠太講師
スクーリング 12 小島信治講師長谷川幸子講師
小竹一臣講師黒田 広史講師

講義はWeb、講義時間は合計127時間、講師は総勢14名です。

肝心の受講料248,000円ですが、2022/2/28(月)までの申込みで、3円割引の218,000円です。

伊藤塾「行政書士実務講座」は、約8カ月かけて行政書士実務に必要となる基礎知識から技能までを幅広く、実践的に学べるようなカリキュラムとなっています。

《伊藤塾の「行政書士事実務講座」はコチラ》

おすすめNO.2~アガルート

アガルートは、行政書士受講者の合格率がNO.1の通信講座です。

アガルートのカリキュラムは以下の通りです。

講      座 担当講師 講義時間
導入編 行政書士の資格の活かし方と営業ノウハウ 東優講師 2時間
本論編 相続・遺言関係 2時間
後見・終活関係 2時間
建設業許可関係 冨川誠太講師 2時間
産廃業許可関係 2時間
運送業許可関係 加藤智成講師 2時間
風俗営業許可関係 2時間
入管・国際業務関係 金恩瑩講師 2時間

アガルートの「行政書士 実務講座/開業講座」は、今回ご紹介する講座の中では、料金最も安い、54,780円です。

講義はWebで、講義時間も一番短く、合計で16時間で、視聴期限は、申込み手続き完了日から550日(約18ヶ月)です。

教材の発送はなく、マイページからPDFデータをダウンロードして使用するスタイルです。

《アガルートの 「行政書士 実務講座/開業講座」はコチラ 》

おすすめ講座NO.3~TAC

TACは会計に強い資格専門学校で、カリキュラムは以下の通りです。

講座内容 時 間 担当講師
第1回 実務オリエンテーション 2時間30分 大塚政秀講師
第2回 建設業許可申請業務 2時間30分 田代薫講師
第3回 産業廃棄物関連業務 2時間30分
第4回 相続・成年後見業務 2時間30分
第5回 入管業務 2時間30分
第6回 NPO法人設立業務 2時間30分 大塚政秀講師
第7回 会社設立業務 2時間30分
第8回 民事系書類作成業務 2時間30分

TACの「行政書士 実務講座」は、通学もしくは通信での受講が可能です。

講義時間は合計20時間、オリジナルテキストは科目ごとに分冊(全8冊)です。

料金は、通学と通信講座とも88,000円ですが、会員以外は、別途入会金10,000円が必要です。

メールでの質問は10回までの制限があります。

まとめ

受験中は試験対策に頭がいっぱいで合格後について考える余裕はないでしょうが、いざ合格してみると実務が何も分からないことに気が付きます。

多くは実務をしらないまま開業していますが、そうはいっても心配であることに変わりはありません。

実務を積む方法には、①就職する、②書籍で学ぶ、③書士会の研修で学ぶ、④先輩から学ぶ、⑤講座で学ぶ、の5つの方法があります。

それぞれメリット・デメリットがあり、みなさんそれぞれに適した方法が見つけられれば私としてもとてもうれしいです。

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