よく、❝行政書士試験は過去問だけで受かるのは不可能!❞という言葉を耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか?
今回は、行政書士試験の過去問対策の必要性についてご紹介したいと思います。
行政書士試験は過去問対策だけでは合格しないって本当?
一発合格を果たした私の答えは、❝過去問対策なくして、合格無し!❞です。
行政書士試験に限りませんが、多くの試験にはパターンというものがあります。このパターンは、過去問なくして、とうてい読み取ることは出来ません。
行政書士試験の受験者のうちほとんどの方が、なんらかしらの勉強をして試験に臨むと思います。
学習方法についていは、独学であったり、予備校やスクールに通ったり、あるいは通信講座で学んだりと、手段は様々でも、みなさん、勉強はしているはずです。
では、それらの勉強で使用するテキストや問題集は、果たして何を根拠に作成されているのでしょうか?

過去問ですよね?

そうです。皆さんがご想像の通りです。
もうお分かりかと思いますが、市販でも講座でも受験者が使用するテキストや問題集は過去問を根拠に作成されています。
受験生が手にするテキストや問題集も何年分もの過去問を分析し、傾向を把握した上で、それをもとに独自の教材として、作成・販売されます。
このように、予備校やスクールですら過去問を参考にテキストや問題集を作成しているのですから、やはり過去問学習はとても大事です。
むしろ過去問学習にこそ重点を置くべきといえるでしょう。
試験のパターンやポイント、傾向は過去問からしか学べません。
ただ、いくら過去問学習に重点を置くべきとはいえ、漫然と数年分の過去問を解いていただけでは、恐らく合格をするのは難しいのも事実ではあります。
アウトプット&インプット学習の勧め

過去問学習が重要といいながら、それだけではダメといったり、矛盾していると思われた方もいらっしゃるでしょう。
その理由についてご説明します。
行政書士試験では、過去出された問題と同じ問題が、度々出題されています。
ただ、その場合でもそっくり同じというのではなく、趣旨や論点を変えて出題されています。
たとえ、趣旨や論点が違っていても、出題の内容を理解していれば、どんな形で問われようとも解答は必ず出来るはずです。
また、行政書士の試験では 条文や判例からの出題がとても多いです。中には頻出の条文や判例というのがあります。
❝それならは、条文や判例を丸暗記すればいいではないか!❞との声が聞こえてきそですが、ただ単に、条文や判例を丸暗記するのは非常に困難です。
仮に丸暗記出来たとしても、果たして出題に対応できるのか?という問題があります。
法律に携わる仕事をする以上、条文や判例を覚えるに越したことはありません。
しかし、試験という点のみに着目すると、問題とセットで条文や判例を理解していく方が望ましいのです。
過去問を繰り返し解くということは、それだけ解説も繰り返し読むことになり、ひいては嫌でも判例や条文が頭の中に入っていきます。
このように行政書士試験対策では、アウトプットしながらインプットもするという学習方法が効果的です。
行政書士の過去問は何年分解くべきか
最低でも10年分の過去問は学習した方がよいと思います。
出題の傾向をつかむにはやはり、最低でも10年分くらいは必要と考えます。
5年分くらいを推奨している方もいますが、5年分では問題数が少なすぎると感じます。
最低でも10年、時間が許すならそれ以上の年数分を学習する方がよいでしょう。
注意点としては、法改正があったものについては法改正に対応した解答や解説がある過去問題集を選ぶようにすることです。
《過去問の問題集を選ぶ際の注意点》
・解説が丁寧なものを選ぶ
・法改正に対応したものを選ぶ
詳細な解説は条文や判例集などを読み込むのと同じ効果があり、しかも問題に対応しているので、単体で条文や判例を読み込むより効果が期待できます。
解説がシンプルなものは、ほとんど意味がありません。解説をよく読み内容を理解し、理解できないことは調べる。ということを何回か繰り返すことで、嫌でも理解できるようになるのです。
行政書士の問題では、一つの条文の正誤を問うのではなく、複数の条文の正誤を問う問題も多く出題されます。
暗記力だけでなく応用力も必要な試験です。
過去問から作成された演習問題にもトライしてみよう!


過去問が重要なら、何回転も学習すればいいですよね?

いえいえ、それでは不十分です。そもそも過去問だけだと、理解する前に答えを覚えてしまいますよね。
過去問10年分を何回転かしたとしても、問題数としては圧倒的に足りません。
そこで、市販や予備校・スクールのオリジナル問題集を解くことをお勧めします。
前述したように、市販の過去問や予備校・スクールの問題集は基本過去問を参考に作られています。
行政書士試験の傾向から大きく外れた問題はないはずです。
答えを覚えるのではなく理解を深めるには、出来るだけ多くの問題を解く必要があります。
そもそも演習問題も過去の試験問題を参考に作成されているため、過去問と併せて利用することで、試験の傾向をそのままに、多くの問題を解くことが出来ることになります。
つまり、私がお勧めする過去問重視の学習方法は、『過去問+出来るだけ多くの演習問題を解く』ということになります。
演習問題を選ぶ際にも気を付けることは、丁寧な解説があることです。
過去問や演習問題は何回解くのが効果的か

過去問は何回くらい解けばいいのでしょうか?

回数が多ければ多いほど合格に近づくと思いますよ。よく3回といいますが、私に限っていえば3回では記憶が定着しませんでした。

どのタイミングで過去問学習をすればいいでしょうか?

全く知識なしでいきなり過去解いても意味がないので、一通りテキストを読んで科目ごとの演習をこなしてからが良いと思います。
まず、オリジナル問題を科目項目ごとに解いて、全部の科目で問題を解き終わった段階で、過去問を科目ごとではなく、試験形式で全部を解くと良いと思います。
ただ、それぞれ自分のやり方というのがあるでしょうから、そこは敢えて厳密に順番を気にする必要はないでしょう。
要は、出来るだけたくさんの問題を出来るだけ多くの回数解いて、解説を読むことが重要です。
ちなみに、私は最初に3000問近くある演習問題を最低7回、苦手な問題は10回ほど解いたあと、20年分くらいの過去問を5回転ほどしたと記憶しています。
過去問対策だけでは合格できない科目はこれ!
唯一、過去問対策だけでは足りないと思われる科目が一般知識です。特にここ数年は以前と傾向が変わってきています。
「政治・経済・社会」ついては、ほぼ予想が不可能なため、非常に対策が立てにくいです。
ただ、文章理解に関しては、練習次第で満点を獲得できる可能性があります。文章理解は、過去問学習に加えて、公務員試験用の問題集を利用して解法を覚えるのも効果があります。
また、「個人情報保護法」に関しては、ほぼ条文がそのまま出題されるため、法令科目同様の過去問対応で問題ないでしょう。
まとめ
行政書士試験では、過去問対策はとても重要です。過去問学習で気を付けることは、過去問だけに頼り過ぎないようにすることです。
行政書士試験で出題の多い条文や判例を理解するのは、過去問の数だけでは不十分だからです。
市販の問題集は過去問をもとに作成されていますので、問題数不足を補うにはこれらを上手に活用するとよいでしょう!
そして、過去問や演習問題を選ぶときは解説が丁寧なものを選ぶようしましょう!
過去問だけでは対策しにくい唯一の科目は一般知識ですが、れでもやはり過去問は一通り目を通しておくことをおすすめします。