宅建(宅地建物取引士)試験に合格後に、宅地建物取引士として登録を受けるには2年以上の実務経験が必要です。
試験に合格した人の中には2年以上の実務経験がない方は少なくありません。
実務経験がない方や2年未満の方は、「宅建登録実務講習」を受けることで実務経験2年以上と同等の能力を有するとされます。
そこで、今回は宅地建物取引士の登録実務講習についてご紹介致します。
宅地建物取引士の試験に合格後、宅建士として業務を行うには

宅建試験合格後に都道府県知事の登録を受けるには実務経験が2年以上ない方の場合は、「宅建登録実務講習」を受講して修了する必要があります。
「宅建登録実務講習」は、宅地建物取引業法施行規則第13条の16第1号に基づき国土交通大臣の登録を受けた講習を行う登録実務講習実施機関によって実施されます。
講習は各機関によって設置された会場で、1日~2日間の日程で行われ、講習の最後に修了試験が実施されます。
この修了試験に合格して修了証の交付を受けないと、そもそも宅建士の登録申請が出来ません。
登録講習の実施機関については、国土交通省のホームページに「登録実務講習実施機関一覧」が掲載されていますので、講習を希望する方はそちらをご確認下さい。
宅建実務登録講習の内容や流れについて
講習の日程等については、実施機関によって若干の違いがありますが、概ね事前に1か月ほどの期間を設けて自宅で通信講座を受けてから会場でのリアル講義を受講することになります。
【宅建実務登録講習の流れ】
1.宅建実務登録講習の受講申込み
↓
2.教材などを発送
↓
3.1か月間の通信講座
↓
4.2日間のスクーリング
↓
5.2日目の講義修了後に修了試験
↓
6.修了証の発行
修了証の発行は、修了試験後にその場で採点を行う場合は当日、或いは後日合格通知とともに郵送のどちらかで行われます。
【登録実務講習の内容】
1.取引士制度に関する科目
- 取引士制度の概要
- 取引士の役割および義務
2.宅地又は建物の取引実務に関する科目
- 受付、物件調査及び価格査定の実務に関する事項
- 媒介契約に関する事項
- 宅地又は建物の取引に係る広告に関する事項
- 宅地又は建物の取引条件の交渉に関する事項
- 宅地建物取引業法第35条第1項及び第2項の書面の作成に関する事項
- 宅地又は建物の取引に係る契約の締結に関する事項
- 宅地又は建物の取引に係る契約の履行に関する事項
- 宅地又は建物の取引に係る資金計画及び税務に関する事項
- 紛争の防止に関する事項
修了試験の出題形式については実施に機関によりますが、だいたいは○×形式と記述式で行われます。
試験時間も60分から90分とこちらも実施に機関で異なりますが、合格基準は満点の80%です。
合格率は90%以上ですが、万が一不合格となってしまった場合は、1回のみ無料で再受講が出来る機関もあります。

試験は対策が必要でしょうか?

試験といってもあくま講座の内容を確認するためのものなので、大げさな対策は不要かと思います。
私が受講した講座の試験では、講師が講義中に試験で問われる項目を教えてくれましたし、テキスト参照もOKでした。
一度しか受講しないので他の講習も同じかどうかは定かではありませんが、90%の合格率からするとどの機関の講座も大きな違いはないかと推測できます。
宅地建物取引士の登録実務講習【おすすめ4選】
宅建登録実務講習はいくつかの機関で実施していますが、時期によっては実施されなていない機関もあります。
東京や大阪などの大都市では、実施会場が見つからないということはないかもしれませんが、地方では実施会場がないことも珍しくありません。

実際、わたしも合格から時間がたってから申込みをしたので近くの会場が見つからず、結局東京で受講する羽目になりました。
そこで、全国的に宅建士登録実務講習を実施している大手の資格学校を4つほどご紹介したいと思います。
LEC東京リーガルマインド | |
スクーリング期間 | 1日クラス、2日間クラス |
実施会場 | 札幌から那覇までの全国24拠点 |
受講料 | 22,000円 |
試験時間と出題数 | 60分、○×式20問・記述式20問 |
修了証 | 即日発行または郵送 |
再受講 | 1回のみ無料 |
資格の学校TAC | |
スクーリング期間 | 2日間 |
実施会場 | 日程により異なる |
受講料 | 22,000円 |
試験時間と出題数 | 60分、○×式30問・記述式30問 |
修了証 | 郵送 |
再受講 | なし |
日建学院 | |
スクーリング期間 | 2日間 |
実施会場 | 全国11会場 |
受講料 | |
試験時間と出題数 | 90分、4肢択一式20問・記述式20問 |
修了証 | 郵送 |
再受講 | なし |
総合資格学院 | |
スクーリング期間 | 2日間 |
実施会場 | 全国 |
受講料 | 20,500円 → 18,000円 (早割り) |
試験時間と出題数 | 60分、○×式30問・記述式20問 |
修了証 | 郵送 |
再受講 | なし |
今回すすめする実施機関は全国展開している資格学校ですので、ご自身のお住まいの地域の会場を比較的見つけやすいのではないかと思います。
それでも時期によっては、自分の住まいの近くの会場に空きがないことがあります。
宅建士登録を希望する方は、余裕をもって申込みをするようにしてください。
大まかな流れについては以上ですが、宅地建物取引士試験に合格すると、合格証書に「宅地建物取引士資格登録等の手続について」の案内が同封され送られてきます。
わたしはすぐに宅建士として働く予定がなかったので、そのままにしていまいましたが、就業が決まっている人は宅建士登録から1年以内に宅建士証の交付を受けないと、新たに「法定講習」の受講が必要になりますのでご注意ください。
まとめ

宅建(宅地建物取引士)試験に合格をしても、それをもってすぐに宅建士としての仕事をすることは出来ません。
宅建士として業を行うには、都道府県知事し申請して登録を受けなければなりません。
申請は試験に合格しただけでは要件を満たさず、2年以上の実務経験が必要です。
試験に合格しても2年以上の実務経験がない場合は、宅建士登録実務講習を受講して修了することで同等の能力があると認められます。
宅建士登録実務講習は国土交通大臣の登録を受けた機関で行われますが、実施機関によって会場や日程、受講料などが異なります。
宅地建物取引士の登録実務講習の受講を希望される方は、先ずはご自身のお住まいの地域で講座があるか確認することをおすすめします。