不動産業界では必須とされることが多い宅建資格は、仕事に就きながら試験を目指す人も非常に多く、どのくらいの勉強時間が必要なのか気になることと思います。
資格試験は学習計画がとても大事で、学習計画を立てるには試験までに要する勉強時間を把握する必要があります。
そして、学習計画を立てる必要性については、宅建試験も例外ではありません。
そこで、今回は宅建の勉強時間や最短で合格する方法についてご紹介致します。
宅建をはじめて受験する場合の勉強時間

ちょこさんは、どのくらいの期間で何時間くらい勉強したのですか?

私は当時仕事をしておらず、時間に余裕があったので2か月の学習期間で合格できました。それでも、時間にしたら350時間以上勉強したと思います。
一般に宅建をはじめて受験する人の場合、必要な勉強時間は最低でも300時間以上といわれています。
ただ、全ての受験生に300時間以上という学習時間が当てはまるかというと決してそう言い切れなかったりもします。
法律の知識がある方や他の法律系の資格を保有されている方であれば、もう少し短い時間でも合格できるかもしれません。
逆にこの分野が苦手という方の場合は、300時間どころか500時間以上に必要になることもあるでしょう。
つまし、お伝えした時間はあくまで平均的な学習時間であって、実は各人により必要な勉強時間は変わってくることを念頭に置いて下さい。
1日の勉強時間が決まったら学習計画を立てよう!

宅建士に限りませんが、試験のためには学習計画が必須で、それには必要とされる勉強時間を把握しなければ計画を立てることは出来ません。
宅建を受験するという目標は同じでも、受験生のライフスタイルや環境はぞれぞれ異なります。
学習計画は1日にどのくらいの勉強時間が確保できるかによって変わってきますので、先ずはご自身が確保できる時間を見積もりましょう。
1日の学習時間が決まったら、次は合格までに必要とされる学習時間を1日に確保できる時間で割って、いつから学習を始めるかを算出します。
例えば、1日2時間の時間が確保で出来るのであれば、300時間÷2時間/1日=150日となり、合格まで約5か月が必要という計算になります。
3か月で合格したいという場合なら、300時間÷90日(3か月)=3.333時間、1日に勉強する時間は約3時間半という計算になります。
学習計画を立てる際に気を付ける点は、無理な計画を立てないということです。
試験まで1か月しかないのに試験を目指そうとすると、1日10時間も学習しなければならいことになります。
学生やフリーの方なら可能かもしれませんが、会社員では不可能です。主婦ですら、10時間もの時間は取れないのではないでしょうか。
無理な計画を立てると結局合格出来ず、次年度以降に持ち越すことになってしまいます。
最短で合格を目指すなら、実現可能な学習計画を立てるようにすべきです。
宅建試験に最短で合格するために重点を置くべき科目
宅建試験の合格基準は、相対評価が採用されいるため毎年の合格点数が変動します。
合格率を一定に保つためといわれていますが、概ね満点の70%程度を得点する必要があります。
過去10年の合格率と合格基準については、試験概要の記事でご紹介しています。
宅建は満点の70%程度を得点する必要がある試験ですが、科目ごとの足切り制度などは設けられていません。
ですから、極論ですが、出題数が少ない「税科目」や「免除科目」について全く得点できなくとも合格出来てしまうことになります。
しかし、これらの科目を捨て問とするのはとても危険ですので、一定の学習は必要であるのはいうまでもないことです。
とはいえ、全ての科目について同様に時間をかけて学習する必要があるかというと、実際にはそうでないことも事実です。
宅建試験は大きく4つの科目からなり、出題数が最も多く、宅建試験のメインともなる「宅建業法」に重点を置いてに学習することになります。
出題数が最も多いため、過去問を数回解くだけでも「宅建業法」に一番時間を割いた、という結果になります。
次いで出題数の多さからいうと、「権利関係」科目ということになりますが、実は難易度からいうと、4科目の中では最も高い科目です。
この科目は主に民法から出題され、人によっては「権利関係」科目に一番時間が取られたという受験生は珍しくありません。

実は私も一番「権利関係」に手こずりました。宅建試験の後で行政書士を取得したので、逆の順番だったら、これほど時間がかからなかっただろうな?と思います。

同じ初受験でも、他の法律系や不動産系の資格をもっていて、科目がダブっている場合は勉強時間は本当の意味での初めての人より短くてすみそうです。
宅建受験自体は初めてでも、既になんらかしらの知識がある方や他の法律系の資格を保有している方の場合は、一般的な学習期間より短い期間での合格は可能と思われます。
独学と講座では必要な勉強時間は異なる
独学者の場合は講座を利用して学習した人よりさらに多くの時間が必要と考えた方が無難です。
講座を利用した場合はスケジュールが決まっていて、講座ごとに組まれてたスケジュールに従って学習していけばよいのですが、独学者は学習計画から科目ごとに割く時間等、全て自分で管理して実行しなければなりません。
分からないことがあっても全て自分で調べて解決しなければならないため、より多くの時間が必要になるからです。
ですから、独学の場合は300時間より多くの時間が必要となると考えて学習計画を立てるようにすべきです。
個人的には、独学の場合は最低限必要とされる時間×1.5倍で見積もることをおすすめしています。
宅建試験で必要とされる標準学習時間は300時間、独学の場合は1.5倍の450時間とします。
上の例の1日2時間の勉強時間の場合、合格までかかる期間は5か月間ですが、450時間となるとさらに1か月半余分にかかります。
どしても半年で合格地点までもっていきたい場合は、土日やお休みの日に勉強時間を多めに取るよとすると良いでしょう。
例えば、半年(180日)で合格を目指す場合で平日は2時間、土日で4時間の勉強時間が確保出来るとします。
2時間×132日+4時間×48日=456時間となり、450時間はクリアーです。
勉強時間が全てとは言い切れませんが、少なくとも特別でない限り多く学習した人ほど、合格への道が近づくのは間違いないです。
私個人は、独学可能とされる試験のほとんどは、最低限必要とされる勉強時間の1.5倍で合格基準までたどり着けると考えています。
一見、遠回りのように感じますが、一発で確実に合格できるという意味では、むしろ最短な方法といえるのではないでしょうか。
宅建に最短で合格するための学習方法

前述したように宅建試験は、宅建業法がメインとなります。
従って、この科目を制覇せずして合格はありえません。
幸いなことに「宅建業法」は他の科目からすると学習しやすい科目といえます。
法律を学習した経験がない人にとっても理解しやすく、出題内容も難解な問題は滅多にありません。
最低でも5年分、出来れば10年分くらいの過去問は全て解けるようにしましょう。
次いで出題数の多い科目「権利関係」ですが、こちらは私の例のように苦手とする受験生が多い科目です。
この科目でかなり時間を取られることになるかもしれません。
この科目は暗記だけでは対応しきれない唯一の科目といえます。ある程度時間をかけて理解することを心掛けて勉強しましょう。
特に民法は大きな改正があったばかりですので、過去問を解く際には注意が必要になります。
「法令上の制限」や「税・その他」の科目につていは、出題数が多くはないもののやはり一通りの学習は必要ですが、深入りするのも効率が良いとはいえません。
過去問はしっかり解答出来るようにしておきましょう。
結局、宅建も最短で合格するには過去問を解くことがとても重要であることはお分かりいただけたと思います。
過去問重点に学習すると、自然と出題数が多い科目を学習することになり、結果最も重要な科目が学習できることになります。
色々書きましたが、結論としてはあまりあちこち手を出さず愚直に過去問を繰り返し解くのが合格への最短・最善の方法と考えられます。
まとめ
宅建試験に必要とされる勉強時間ははじめての方で300時間以上が必要といわれています。
法律知識がある方や他の法律系の資格保有者の場合は、もう少し短い時間でも合格は可能かもしれません。
逆に法律が苦手な方は、500時間位費やすことも珍しくありません。
学習方法が独学か講座かで要する時間は異なり、独学の場合は講座の1.5倍くらい必要と考えて学習計画を立てることをおすすめします。
宅建は独学で受験する人もかなり多い試験ですが、独学は向き不向きがあります。
独学に自信がない方や効率よく学習したい方は講座を利用して学習するのが合格への近道です。